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ペットライン 猫ノート

Cat Note

ペットフードの種類は?

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まずは、形状の分類を確認

ペットフードに関して平成21年(2009年)6月1日に「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(通称:ペットフード安全法)」が施行され、国として初めて管理が明確にされました。環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」によると、形状によるペットフードの分類は以下のようになります。

1. ドライ=水分含有量が10%程度、またはそれ以下のフード。未開封の状態で長期保存できるよう水分量を低くしてあります。

2. セミモイスト、ソフトドライ=水分含有量が10~35%程度のフードで、しっとりさを保つために湿潤調整剤を使用します。

3. ウェット=製品水分75%程度で、品質保持のために加熱殺菌工程を経て、充填されたフード。密閉されているため、開封しなければ長期間保存ができますが、開封後は品質変化が早いため注意が必要です。

ワンちゃんに「猫用」を、ネコちゃんに「犬用」を与えて大丈夫?

ペットフードは、そのペットが必要とする栄養素やカロリーを、フードメーカーが計算して調整(設計)して作られています。そこで、猫ちゃんとワンちゃん、それぞれが必要とする栄養素は同じなのでしょうか?

正解は「違う」です。

猫ちゃんはもともと肉食性が強いので、ワンちゃんに比べてたんぱく質や脂肪を多く含む食べ物が必要です(円グラフ参照)。ワンちゃんは雑食性なので、ネコちゃんほどではないものの、人間に比べるとやはり多めのたんぱく質や脂肪が必要です。
また、ワンちゃんや猫ちゃんは、人間と違って全身に汗をかかないため、余分な塩分を汗によって体の外へ出すことができません。そのため人間と同じ食事を与えると人が思う以上に塩分摂取量が過多になり、心臓や腎臓に負担をかけてしまう恐れがあるといわれています。

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犬専用、猫専用のフードは何が違う?

ペットフードには、パッケージの表示の中に「犬専用です」「猫専用です」という記載があります。健康を維持するために栄養を整えたフードを「総合栄養食」(次項で紹介します)といいますが、動物種が異なる「犬」「猫」それぞれで必要とされる栄養素は異なるため、同じ「総合栄養食」でも「犬」と「猫」で内容が違います。また、猫ちゃんでは有名な「タウリン」のように、摂取する必要のあるミネラルも含まれている量が違います。そのため、犬専用・猫専用に合わせて作られたフードといえます。

年齢別のフードは何が違う?

ワンちゃんや猫ちゃんは、生後1年でほぼ成犬、成猫になります。産まれてから1歳までは成長のために多くの栄養素が必要となるため、子犬や子猫が必要とする栄養素は成犬や成猫よりも多いです。ペットの年齢別フードは、以下の状況に合わせて3段階で表示されています(出展:一般社団法人ペットフード協会ホームページ一部改編)。

妊娠期/授乳期用フード

生後4週齢前後まで与える、いわゆる代用乳です。犬・猫の母乳の成分をもとにした粉ミルクや液状のミルクがあります。また、母犬・母猫が授乳のために必要とする栄養基準を満たすように設計された高栄養なフードもあります。

妊娠期/授乳期用フード・幼犬・幼猫期/成長期用フード

生後8週齢前後までは、いわゆる離乳食を与えます。母と離乳期の子が一緒に暮らしている場合には、母の真似をしてドライフードを食べ始めたりすることもありますが、そうではない場合には、粒状のドライフードをいきなり与えるのではなく、粒をふやかしたり、フレーク状や粉末状のフードをペーストにしたり、ウェットタイプにするなどして、食べやすく消化吸収のよい状態から徐々に慣らしていくといいでしょう。
生後8週齢前後から1歳まで(大型犬は1歳半まで、超小型犬では10ヶ月齢くらいまで)は、幼犬・幼猫用、成長期またはグロースなどと表示されたフードを与えます。骨や身体の成長に必要とされるビタミン、ミネラルやアミノ酸などが強化され、十分なたんぱく質や脂質などが取れるように設計された総合栄養食となっています。

維持期フード

1歳以降は成犬・成猫用または維持期、メインテナンスなどと表示され、様々なタイプのフードが存在しています。
さらに6~8歳以降からは、長生きするワンちゃんやネコちゃんの増加で注目されている「高齢犬・高齢猫用フード」、「老齢犬・老齢猫用フード」、「長寿犬・長寿猫用フード」もあります(製品やメーカーによって年齢の分け方や表記の仕方は異なります)。運動量や代謝の低下に合わせて、低脂肪・低カロリーに調整されていたり、身体の各機能の低下や栄養の補完に配慮して成分の調整しているフードです。

【獣医師監修】 
宮田 俊輔 先生(獣医師)

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