猫の発情期を理解してトラブル防止!いつから?特徴は?すべて解説
「猫の発情期はいつからいつまで?」「オスとメスでそれぞれ発情期中に見られる特徴はある?」このように疑問に思っている飼い主さんも多いでしょう。発情期を迎えた愛猫の行動を事前に知っていないと飼い主さんは驚いてしまうかもしれません。また、発情期には問題行動やトラブルも多いため、猫の発情期の特徴を知っておきましょう。
メス猫は生後4~12カ月齢頃から繁殖可能
メス猫は生後4~12ヵ月歳から繁殖できるようになります。また、猫種の中でも毛の長さで違いが出る傾向があるようです。
オス猫の発情はメス猫の声や匂いによって起こる
一方オス猫の性成熟は、メス猫と比べて遅めです。精巣に精子が作られるのは生後8〜12カ月齢頃で、この時期からマーキングやマウンティングといった行動が見られるようになります。 しかし実は、オス猫の発情は単体では起こりません。メス猫の声やにおいに誘発されて発情します。 オス猫は発情すると、メス猫のもとに向かうために外へ出ようとします。オス猫が外に出れば、メス猫をめぐって他のオス猫とケンカが始まります。ひどいけがや病気に感染する恐れがあるため、発情期のオス猫を外出させてはいけません。
猫の発情期を迎える季節は春や夏がピーク
猫が発情期を迎える季節は、暖かくて出産や子育てがしやすい春や夏がピークです。2月〜4月と6月〜8月の年2回ピークが訪れ、1年でおよそ2〜3回の出産が可能です 。 また、メス猫の発情においては、日照時間が14時間を超えると迎えるようで、短くなると緩和されます。
メス猫が見せる発情期の行動
メス猫の発情期に見られる行動は様々です。 主に7つの行動が見られるので、ひとつずつ解説していきます。
飼い主さんへ甘えてすり寄ってくる
飼い主さんへ甘えてすり寄ってくる行動は、発情前期にみられます。 「これまでよりも活発的にすり寄ってくるな」と感じたら、発情期のサインかもしれません。この時期にはまだオス猫を受け入れず、オス猫が近付くと威嚇をする状態です。
頭や首をこすり付ける
甘えてすり寄ってくるのと同時に、頭や首を強くこすりつける場合があります。いつも以上にこすりつけ、喉をゴロゴロと鳴らして興奮している状態です。
普段は聞かないような大声で鳴く
メスの猫が大声で鳴いたら、オス猫を受け入れる時期で、発情期ピークの行動です。「ワウワウ」や「ワーオ」など、赤ちゃんが泣いているような鳴き声でオス猫を呼びます。 普段は聞かないような鳴き方なので分かりやすいでしょう。
背中を床につけて腰を何回もくねくねする
背中を床につけて寝転び、くねくねする行動は、発情期によく見られます。 猫は、普段甘えるときにも背中を床につけてお腹を見せることがありますが、発情期には激しく動きます。そのため、普段との違いは分かりやすいでしょう。
お尻を高く上げる姿勢になる
お尻を高く上げる姿勢を「ロードシス」と呼び、オス猫を受け入れる態勢です。 ロードシスの姿勢を取ったまま、後ろ足で足踏みをする場合もあります。
排尿スプレーをする
発情期には、メス猫でもスプレー行為をする場合があります。 より良いオス猫を誘うためだといわれており、オシッコは濃く、強烈なにおいを発します。室内飼育の場合は対策が必要になります。
トイレ以外でオシッコする
発情期のメス猫の中には排尿の回数が増えてしまい、粗相をしてしまうケースがあります。発情期が終わるとトイレできちんとできるようになるため、怒らず気長に見守ってあげましょう。
オス猫が見せる発情期の行動
メス猫のフェロモンを感じたオス猫には、様々な行動が見られます。 メス猫と違い、オス猫には準備期間がありません。性成熟を迎えていれば、いつでも交尾が可能です。トラブルを未然に防ぐためにも、以降で紹介する5つの行動には注意しましょう。
大きな声で鳴く
メス猫と同様、オス猫も赤ちゃんのような鳴き方でメス猫に存在をアピールします。 昼夜問わず鳴き叫ぶため、去勢前の 猫の鳴き声が近隣トラブルの原因となるケースがあります。もし、仮に室内で飼育していても、防音対策はしておいた方が良いかもしれません。
落ち着かなくなる
そわそわと落ち着きがなくなるのも、オス猫の発情行動のひとつです。 部屋の中をうろうろしたり、ちょっとした物音にもすぐに反応したりするなど、敏感になります。
外に出たがる
繁殖期のオス猫は外に出たがります。窓から外を眺めて離れなかったり、鳴き声をあげながら外を見たりと室外への執着を見せます。決して外に出さないようにしましょう。
排尿スプレーをする
排尿スプレーは「マーキング」とも呼ばれ、自分の存在やテリトリーを誇示するものです。 マーキングは、繁殖期に限った行動ではありません。繁殖期以外でも見られるケースはあります。とはいえ、繁殖期になると特に頻度が高くなります。
他の猫に攻撃的になる
繁殖期には、他の猫に対して攻撃的になります。 近づくだけで威嚇し合い、あっという間に大きなケンカに発展します。猫同士のケンカは、大けがにつながる危険があります。傷口の化膿や感染症の恐れもあるため、繁殖期は外出させないことが大切です。
猫の発情期に見られる行動の対処法
猫の発情期には問題行動が多くみられます。 できる限り対策を行いましょう。4つの対処法を解説するので参考にしてください。
スプレーしそうな場所に撥水シートを貼り付ける
猫ちゃんがスプレーしそうな場所に撥水シートを張り付けておくと、においが染み込まず掃除も容易に済ませられます。 猫はにおいがついている場所に何度もスプレーをするので、撥水シートはスプレーの場所を固定化させないためにも有効でしょう。
トイレシートの設置をする
トイレシートを活用するのも対処法のひとつです。 撥水シートの下に敷いたり、撥水シートの代わりにトイレシートを貼ったりしても良いでしょう。壁やカーテンには拭き掃除ができる撥水シート、床面にはトイレシートなど、場所によって使い分けるのがおすすめです。
室内の気密性を高める(外猫対策)
できるだけ窓を開けずに、室内の気密性を高めましょう。 オス猫は、フェロモンが含まれたにおいで発情が誘発されるため、できるだけ外のにおいを感じさせないことがポイントです。 また、カーテンを閉めて外が見えないようにするのも良いでしょう。防音性が高いカーテンなら、鳴き声対策にも効果が期待できます。
甘えてきても放っておく
メス猫の発情時期はいつも以上に甘えてきますが、構いすぎるのも良くありません。発情期の問題行動がひどくなる恐れがあるため、ある程度は放っておくようにしましょう。
猫の発情期が始まった時の注意点
猫の発情期が始まった時の注意点として3つあげられます。
・叱ったり、大きな声で驚かせたりしない
・ 大きな声で驚かせることはしない
・マタタビを与えない ・窓や玄関に脱走防止柵をつけて脱走させない
間違った行動をしてしまうと、発情期の問題行動を助長してしまう恐れがあります。正しく対処するためにも、以降で紹介する注意点を把握しておきましょう。
叱る・大きな声で驚かせることはしない
発情期の猫に対して、叱ったり大きな声で驚かしたりしてはいけません。しつけのつもりでも、飼い主さんとの信頼関係が損なわれ、猫にはストレスがかかってしまいます。 先ほど紹介した行動が、さらに過激化する原因にもなりかねません。 叱ったり驚かしたりするのではなく、問題行動が「できない」環境を作りましょう。
マタタビを与えない
発情期にマタタビを与えるのは、問題行動を助長がしてしまう恐れがあるのでやめましょう。 マタタビの効果には個体差があり全く興味を示さない猫もいますが、反応が強く出すぎてしまう猫もいるため危険です。
窓や玄関に脱走防止柵をつけて脱走させない
繁殖期には、特に脱走対策を入念に行ってください。 家族が出入りする際に、玄関から猫が脱走するケースは多くあります。そのため、窓や玄関など猫が脱走しそうな場所には「脱走防止柵」を設置して、脱走させない事前の対策が重要です。
猫の発情期に起こるトラブルを防ぐなら不妊手術(避妊・去勢)がおすすめ
猫の繁殖期のトラブル防止には、不妊手術が効果的です。 不妊手術を受けておけば、「スプレー行為」「攻撃性」「鳴き声」などの発情行動を抑制する可能性があり、穏やかに生活できるでしょう。 また、不妊手術によって、生殖器系の疾患を予防できます。特に、メス猫は乳腺腫瘍の発生率を下げると言われているため、繁殖を望まないのであれば早めに不妊手術を受けておきましょう。