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オス猫ってどんな猫?メス猫との違いや特徴を解説

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猫を家族に迎えたいと考えた時、オス猫かメス猫かで迷うこともあるかもしれません。猫は性別によって性格や特徴に違いがあると言われています。この記事では、特にオス猫について詳しく解説し、その性格や行動の特徴、飼育時のポイントをわかりやすくお伝えします。猫を家族に迎えたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

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荒川 真希

ヤマザキ動物看護大学 動物臨床栄養教育学研究室
講師[愛玩動物看護師・ペット栄養管理士・VT・AHT・CDT・DGS]

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オスの猫とメスの猫の違い

オスの猫とメスの猫では、いくつかの特徴的な違いがあります。それぞれ確認していきましょう。

体格

一般的に、オスの猫はメスの猫に比べて体が大きく、骨格や筋肉がしっかりしています。顔もオスの猫の顔はメスの猫の顔と比べると大きめで、鼻もメスの猫と比べると大きいことが特徴です。

習性

オスの猫は縄張り意識が強く、他の猫と縄張り争いをする習性があります。去勢手術をしていない場合、マーキングと呼ばれる行動が見られ、尿などの分泌物を周囲に付着させて自分の縄張りや存在を示します。家の壁などに尿をスプレーするのもマーキングの一種です。また、猫はもともと狩猟本能を持つ動物で、特にオスの猫はメスの猫と比べて移動範囲が広くなる特徴があります。

性格

オスの猫はメスの猫と比べて、好奇心が強く、活発で社交的な性格を持つことが多いと言われています。飼い主さんに甘えることが多く、新しい環境を探索するのが好きで知らない場所にも積極的に足を踏み入れることがよくあります。一方、メスの猫は慎重な性格の子が多く、環境の変化に敏感な傾向があります。母性本能が備わっているためか、用心深く、自立心が強い子も多いです。

飼育費用

日常の飼育費用はオスの猫とメスの猫でそれほど差はありませんが、オスの猫は体が大きい分、食事量が増えることも。また、オスの猫は泌尿器系の病気にかかりやすいため、医療費についても考慮しておくと安心です。基本的にオスの猫の去勢手術はメスの猫の避妊手術よりも難易度が低いことから、費用も安くなることが多いです。

かかりやすい病気

オスの猫の尿道は細く長いため、尿路結石によって尿道が詰まりやすい傾向にあります。また、去勢手術後は肥満になりやすく、それに伴い糖尿病のリスクも増します。一方、メスの猫の尿道は短く太いことから細菌感染を受けやすく、膀胱炎になりやすい傾向にあります。また、メスの猫は発情期にストレスを抱えやすく、食欲不振や行動の変化が見られることも。避妊手術をしていない場合、子宮や卵巣の病気にかかるリスクが高く、子宮蓄膿症や卵巣腫瘍などにかかる可能性が高まります。

オスの猫の発情期について

時期

猫は一定の季節が来ると発情する季節繁殖動物です。オスの猫にはメスの猫のような定期的な発情期はありませんが、繁殖期のメスの猫に反応して発情します。
一般的には1月から8月が繁殖時期とされ、この時期にはオスの猫もメスの猫の発情に影響されて行動が活発になります。また、自然光に加えて室内の人工照明の影響を受けて育った猫の場合は、季節に関係なく1年を通して発情を繰り返すこともあります。
オスの猫の性成熟は、メスの猫と比べて遅いことが一般的で、本格的に交尾が可能となる時期は、生後9カ月から12カ月と言われています。また、メスの猫には人間の閉経のようなものはなく、発情周期がなくなりません。そのため、基本的に猫は生涯発情し続けることになります。

行動

メスの猫には発情周期と呼ばれるサイクルがあります。それぞれの発情周期のサイクルによって、発情行動が異なります。発情前期には「擦り付け」行動が増え活発さが増すほか、尿の量が多くなることもあります。
オスの猫は、発情したメスの猫の鳴き声やフェロモンのにおいに誘発されて発情します。マウンティングやマーキングなどの発情行動が見られるようになり、落ち着きがなくなり、大きな声で鳴いたり他の猫に対して攻撃的になったりすることもあります。

オスの猫の去勢手術

オスの猫の発情行動を抑えるには、去勢手術をすることをおすすめします。去勢手術には様々なメリットがありますが、デメリットも存在します。

去勢手術をするメリット

多くの飼い主さんがオスの猫を飼う上で問題として取り上げる事柄がマーキングです。家のあちこちに尿を吹きかけてしまい掃除が大変になることも。しかし、去勢手術をすれば、このマーキング行動が減少することが期待できます。また、発情特有のストレスが軽減され、攻撃的な性格が穏やかになることもあります。加えて、前立腺の病気などの予防効果があり、交尾を通じた感染症のリスクも減らせます。

去勢手術をするデメリット

オスの猫が去勢手術を行う際には、デメリットも考慮する必要があります。去勢手術は全身麻酔で行うため、猫の年齢や体調によってはリスクが伴います。しかし、通常オスの猫の去勢手術は数十分ほどで終了するため、健康状態や体に問題がなければ過度な負担にはなりにくいでしょう。
また、去勢手術をするとホルモンバランスが変化するため、体重が増加しやすくなることがあります。体重が増加すると肥満になり、糖尿病などの病気にかかるリスクが高くなります。去勢後は低カロリーフードを導入するなど、肥満予防に配慮すると良いでしょう。

まとめ

オスの猫とメスの猫には性格や習性、体調面でいくつかの違いがありますが、どちらが良いかは一概には言えません。この記事で取り上げたオスの猫とメスの猫の違いを理解し、それぞれの性別に合った環境を整えてあげましょう 。

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