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猫の換毛期・抜け毛対策ガイド!お手入れや便利な掃除グッズも紹介

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猫ちゃんの換毛期には部屋のいたるところに毛が落ちていて、何度掃除してもキリがない… そんな経験をした飼い主の方は多いと思います。この記事では、そんな換毛期の基礎知識を紹介します。さらに、換毛期の猫ちゃんの正しいお手入れ方法を知っておけば、部屋の掃除もぐっと楽になります。便利なお掃除グッズも紹介するので参考にしてください。

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猫には換毛期が春と秋の2回ある

猫の身体は、一般的にトップコートとアンダーコートで覆われています。

・トップコート:表面の被毛。ハリがあり硬い

・アンダーコート:トップコートの下に生える。密度が高い。

トップコートとアンダーコートを持っている被毛を「ダブルコート」と言い、ダブルコートの猫には3〜5月の春と9〜11月の秋の2回に分けて換毛期があります。抜けるのは主にアンダーコートで、換毛期には抜け毛が通常の10倍以上になる猫もいるようです。 また、抜け毛が増えるのは、換毛が行われる季節の変わり目です。 人間が衣替えするようなもので、猫の毛も季節により夏用や冬用に生え変わります。夏の毛は冬の毛に比べ通気性が良く涼しい被毛です。一方、冬の毛は保温性があり暖かな被毛なため、毛質は全く異なります。 なお、ダブルコートの他に、オーバーコートかトップコートのどちらかしか持たない「シングルコート」も存在します。 猫種によって違いがあり、シングルコートは毛が抜けにくいと言われています。

シングルコートの猫種

• ベンガル

• シャムネコ

• メインクーンなど

ダブルコートの猫種

• アビシニアン

• アメリカンショートヘア

• ロシアンブルー

• ラグドール

• ノルウェージャンフォレストキャットなど

さらには毛が長い「長毛種」と短い「短毛種」があり、抜け毛が目立つのは「長毛種」です。

完全室内飼いの猫には明確な換毛期はないとされている

室内飼いの場合、猫ちゃんの過ごす部屋をエアコン等で季節に関係なく常に快適な温度に保っている方も多いのではないでしょうか。 その場合、換毛して通気性を良くしたり、保温性がある被毛に生え変わらせたりする必要がないため、室内飼いの猫にはっきりとした換毛期がなく常に一定程度の毛が抜けたり、一般的な換毛期からずれた時期に毛が抜けたりすることもあります。そのため、室内外の場合には、換毛期にかかわらず 抜け毛の対策を考える必要があるでしょう。

ダブルコート・シングルコートの見分け方

日本に多いミックス(雑種)の猫ちゃんは、一般的にダブルコートの子が多いといわれていますが、ご自身の猫ちゃんがダブルコートなのかシングルコートなのかは内側の毛をよく見てみると分かることがあります。 猫ちゃんの毛をかき分けて、外側に見えている毛と同じ色の毛が生えておりそのまま地肌が見える場合にはシングルコート、外側から見える毛とは異なるふわふわとした柔らかい綿毛のような毛があればダブルコートと判断できます。判断が難しい場合には、動物病院やトリミングサロンなどで聞いてみると良いでしょう。

ダブルコート以外で猫の抜け毛が起こる原因

シングルコートの猫の場合、抜け毛の量は多くありません。そのため「毛がすごく抜けるな」と感じるようなら注意が必要です。

毛が大量に抜ける原因として2つ考えられます。

・ストレスを感じている

・病気にかかっている

どちらも看過できない状態なので原因を明らかにして対策しましょう。

ストレスを感じている

猫のストレスは様々な病気を引き起こします。ストレスに由来する「心因性脱毛症」は、頻繁に毛繕いをして抜け毛が増えてしまう症状です。部分的にはげてしまったり毛が薄くなったりします。

ストレスの原因として主に「留守番が長い」「飼い主さんとのコミュニケーション不足」などが考えられます。他にも「工事の音」や「バイクの音」などの騒音問題、「引っ越し」や「模様替え」「出産や結婚」などの居住環境問題があり、こうした要素はストレスに繋がります。

そこでストレスをかけないように、猫ちゃんにとって安心できる空間を作ってあげましょう。ハウスや机の下など、猫ちゃんがリラックスできる場所があればストレスは緩和できます。また、コミュニケーションが足りていないようなら猫と遊ぶ時間を作るなど、ストレスを軽減させる対策をすることが重要です。

病気にかかっている

ストレスの他にも、病気にかかって抜け毛が増える場合があります。

【抜け毛が増える病気と原因】

病名 原因
猫ニキビ 汚れ
食物、環境アレルギー アレルゲン
ノミアレルギー ネコノミ
皮膚糸状菌症 カビ
疥癬(かいせん) ヒゼンダニ

いずれにせよ、こうした病気は悪化する恐れがあるため、早めに動物病院へ連れていき、診てもらいましょう。

猫の抜け毛対策5選

猫の抜け毛を放置すると、掃除の手間がかかるだけでなく猫にとっても多くの健康トラブルを引き起こします。毛繕いをした際に毛を飲み込んで毛玉になることも…。他にも毛が抜けた箇所を舐めて傷ができ、皮膚が炎症を起こすこともあるため、抜け毛対策はしっかり行いましょう。

【毛玉ができることによる健康トラブル】

腸閉塞 毛玉が腸管で詰まる
胃腸炎 毛玉が原因で胃腸が炎症を起こす
食道炎 毛玉を吐き出す際食道に炎症を引き起こす

抜け毛対策については、以下で紹介する方法をぜひ実践してみてください。

ブラッシングをする

ブラッシングは、掃除の時短にも効果的です。特に、長毛種の場合は、毛のもつれが解けるのでこまめに行いましょう。 ブラッシングの適切な頻度は、以下が目安となります。

【ブラッシングの頻度】

通常時 換毛期
短毛種 1週間に2~3回 1日1回
長毛種 1日1回 1日2回

長毛種の毛玉は、尻尾や太ももの付け根、脇の下や耳の根元などの可動域が広い場所や体同士で摩擦が起きやすい場所に多く発生します。

スリッカーブラシやコームを使って、ほぐすようにブラッシングしてあげてください。ただし、ブラッシングし過ぎると、毛が薄くなる恐れがあります。注意しながらブラッシングをしてください。

猫のブラッシングについて詳しくは以下の記事をご参考ください。

猫の正しいブラッシング方法と、ブラシの選び方

夏の期間サマーカットをする

基本的には必要ないトリミングですが、夏場だけ行う場合もあります。 代表的なのが「サマーカット」で、バリカンで全体あるいは一部を刈る方法です。 サマーカットには、メリットとデメリットがあり、どちらも理解しておきましょう。

メリット

・熱中症や暑さ対策

・毛球症や毛玉予防

・掃除の時短

デメリット

・毛が生えそろわないリスク

・トリミング中のストレス

・日光の刺激

知らない場所で知らない人に押さえつけられて毛を刈られるのは、猫にとって大変なストレスです。刈った後には日光の刺激にも気を付けなければいけません。

また、猫の毛を刈ると、生え変わるまでに半年〜1年かかると言われています。1年かかってしまうと、寒い冬でも短毛で過ごさなければいけなくなる可能性があります。 きちんとメリットとデメリットを知ったうえで、サマーカットを検討することが重要です。

長毛種の猫なら月1回程度でシャンプーする

長毛種の猫なら月に1回ほどシャンプーをし、抜け毛を洗い流してすっきりさせることも検討しましょう。 おとなしくシャンプーをさせてくれる猫も少ないため、もし嫌がるようなら無理にシャンプーをするのはやめましょう。 ペット用のボディタオルや温めた濡れタオルで拭くだけでも抜け毛は落とせます。 ブラッシングの後に体を拭いて、皮膚に引っかかっている抜け毛を落としてあげましょう。

毛玉に配慮したフード・おやつを与える

普段与えているフードやおやつを毛玉に配慮したものに変えることでお腹に溜まった毛玉が出やすくなる場合もあります。 毛玉に配慮したフードと一般的なフードの違いは、主に配合されている食物繊維の量です。ビートパルプやセルロース、サイリウムなどが代表的な食物繊維で、毛玉に配慮したフードには多く含まれています。おやつだと嗜好性が上がり、喜んで食べてくれるでしょう。 他にも、毛玉除去剤というものが販売されています。フードやおやつと同じように、体内の毛玉を出しやすくするものです。 動物病院でも取り扱いがあるので、不安な人は相談してみてください。

猫草を与える

猫草は胃を刺激して毛玉を吐くのを促す働きがあるとされています。また、猫草に含まれる食物繊維が便通を良くし、毛玉の排泄を促す働きもあるとされています。 なお、猫が食べるのはイネ科の草です。ホームセンターなどで購入できますので、猫草も取り入れてみてください。

猫の抜け毛掃除に役立つ掃除アイテム

最後に、猫の毛の掃除に役立つ3つのアイテムを紹介します。猫の毛は細くて柔らかく、ソファなど布製の家具に付いたらなかなか取れません。そうした猫の毛には、身近にあるものを活用してお掃除するのがおすすめです。

・ペーパーモップ

・粘着ローラー

・ゴム手袋

床掃除にはペーパーモップ

ペーパーモップは、モップの先に専用シートを取り付けて床を拭く掃除用具です。静電気でほこりや猫の毛を吸着してきれいにします。 掃除機の大きな音は多くの猫ちゃんが嫌がりますが、その点、ペーパーモップは大きな音が出ないので猫ちゃんに優しいお掃除グッズです。

また、猫の細い被毛は掃除機のフィルターやブラシに絡まりやすく、メンテナンスも手間になります。そのため、ペーパーモップは猫ちゃんと一緒に暮らす家庭での掃除機具としては使いやすいでしょう。

粘着ローラー

粘着ローラーは、衣類や家具についた猫の毛を取るのにピッタリです。ピンポイントでしっかり除去してくれます。 カーペットについた毛を掃除したい場合は、柄が長い粘着ローラーがおすすめです。腰を曲げることなく、ペーパーモップと同じように前後に動かすだけで毛がくっつきます。交換ローラーは、ホームセンターなどで手軽に購入できるため揃えやすいでしょう。

ゴム手袋

ゴム手袋を装着して布製品をなでると、不思議なくらい猫の毛が集まります。しかも丸まるので散らばらず、後片付けも簡単です。 また、食器用スポンジで布製品をこすっても、ゴム手袋と同じように猫の毛が集まります。スポンジ素材でペット専用として販売されているお掃除グッズもあります。ゴムアレルギーの方は、食器用スポンジを試してみてください。

猫の換毛期・抜け毛対策は早めに始めよう

換毛期や抜け毛の対策を行わないと飼い主さんの掃除の手間が増えるだけでなく、愛猫の異変を見逃したり、健康トラブルにも繋がったりしてしまうためブラッシングなど適切な対策を普段から行いましょう。また、毛玉に配慮したフードやおやつで、腸閉塞や胃腸炎などの病気の予防に繋がります。できるだけ早めに換毛期・抜け毛対策を行い、愛猫の健康を守りましょう。

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