【獣医師監修】犬の避妊・去勢手術の方法は?適正時期はいつ?
手術の効果が高いのは若いうち
メスの避妊手術は全身麻酔をかけて開腹し、卵巣と子宮を摘出するのが一般的です。手術そのものの時間は1~2時間程度で、術後の入院の有無は病院によって異なります。避妊手術を行うのに適切な年齢は、さまざまな意見がありますが、発情する前に避妊した場合、その後の乳腺腫瘍発生率が極端に低く抑えられることが知られています。
オスの去勢手術のタイミングも、生殖能力が完成する前、生後6ヶ月をメドに行うのがベストとされています。これも理由としては、メスの発情に誘われることなくオスの機能を除去してしまえば生殖に関する多大なストレスにさらされることなく、また、問題行動を起こすことなく一生を送れるだろうという観点から、ベストのタイミングとされているようです。
去勢の手術は、全身麻酔で行われます。オスは精巣と精巣上体が納まっている睾丸を摘出します。包皮と陰嚢の間の正中線の上を1~1.5cmほど切開し、ここから摘出するのです。手術は1時間前後、日帰りから1泊のスケジュールで行われます。
適正時期は?
犬種やサイズ、個体により差がありますが、ワンちゃんのメスの発情(ヒート)は、生後6~8ヶ月くらいに初めて起きます。小型犬に比べて大型のワンちゃんのほうが遅く、その後も小型犬は5~7ヶ月くらいの周期で年に2回、大型犬は8~12ヶ月くらいの周期で年に1回以上発情します。
いっぽう、オスの生殖能力が完成するのは生後1年くらい。やはり、小型犬に比べて大型のワンちゃんのほうが遅めです。オスに発情期はありません。発情中のメスの匂いに誘われて、オスはいつでも交尾可能なのです。発情したメスの匂いは2kmあまり届くといわれます。受精したメスは、62~63日で出産します。