犬は肉食?雑食?愛犬の健康を考えた食事とは
犬は哺乳類の「食肉目」というグループに属する動物です。原種であるオオカミを完全に肉食だと思っている人も多いと思いますが、オオカミは雑食もする肉食です。大型から小型の哺乳類、腐肉、無脊椎動物(昆虫など)、植物、残飯など幅広いものを食べています。犬はさらに雑食が進んでいるため、肉食か雑食かという質問の答えとしては「雑食」ということになります。
オオカミが祖先だから、犬にもオオカミと似たフードを与えたほうがいいという考え方があります。といっても、野生動物本来の肉食を家庭で実現しようとすれば、肉だけではなく、内臓や骨、血などをホールフード(全体食)として与える必要があります。生肉だけでは鉄分やビタミンなど、肉以外の部位から得られる栄養素が不足してしまいます。しかも、これらの部位を手に入れるのは、購入先が限定されるうえに、細菌や寄生虫、腐敗など、様々な問題がつきまとい、かなり難しいです。
犬はデンプンが豊富な食べ物にも適応してきたことがわかってきました。犬の家畜化の歴史は1万年(3万年ともいわれる)以上と長く、人間とともに暮らす過程で食生活が多様化してきました。植物や穀物なども食べるようになり、それらの食べ物も消化しやすくなりました。
腸内細菌の栄養源となるデンプンや食物繊維を豊富に含む穀物が含まれたドライフードは、腸内フローラを整えたり、体の健康をケアできると考えても良いでしょう。
ワンちゃんは「雑食」ということを考慮に入れ、年齢、体型、運動量などに合ったドッグフードを選んであげることがワンちゃんの健康を維持するうえでは大切です。