犬ならではの習性とは?(その1 犬の習性全般)
飼いたいと思っているワンちゃんが、どんな習性を持っているのか知って、対処をしてあげるようにしましょう。「犬の習性全般」と「犬種別の習性」の2回に分けてお届けします。
ワンちゃんの「問題行動」と言われていることも、これらの習性が原因の場合が多いようです。その習性を理解して正しく対処してあげることができれば、ワンちゃんとの生活がもっと楽しくなるでしょう。
敵意
真正面から近づいたり、正面から目を見つめるのは、ワンちゃんには「敵意」があることを意味します。知らないワンちゃんに近づく時には、正面から近づいたり、目を見つめることは絶対にやめましょう。怖がって噛みつく恐れもあります。
遠吠え
理由はさまざま推測されています。「寂しいから」「仲間との交信」「ストレス」など。思い当たる原因があれば取り除いてあげましょう。遠吠えが止むことがあります。
マーキング
屋外のマーキングは、他の犬との情報交換を行っているのです。マーキングの尿は少量なので、水をかければほとんど匂いは残りません。家の中でのマーキングは、ストレスや病気が考えられます。原因を取り除いてあげれば、家の中ではしなくなります。
片足を上げておしっこ
オスが片足を上げておしっこをする理由はさまざま言われています。「テリトリー意識で他のワンちゃんを意識して高く上げる」「メスの鼻に近くなるよう匂いを残す」「体の構造から足を上げた方がおしっこが自分にかからない」など。習性で行っていることなので、去勢しても足を上げるワンちゃんはいます。
穴を掘る
穴を掘るワンちゃんは多いですよね。家の中でも、床を一生懸命掘っています。「身を守るために穴を掘って住居としていたなごり」「地面の中にいる小動物を捕えるため」「余った食べ物を埋めて保存していた」などがよく言われている原因です。
室内でガリガリやられてしまうと困ります。段ボールを置くなどして掘っていい場所を決めてあげると、ワンちゃんもストレスをためることなく過ごすことができます。
マウンティング
他のワンちゃんの背中に乗ったり、飼い主さんの脚に抱きついて腰を振るマウンティング。これにも諸説あります。「性的な意味」「優位性を示す」といったものから、「遊びの誘い」「ストレスの発散」など。見知らぬワンちゃんにマウンティングするのは、トラブルの原因になるのでやめさせましょう。
収集癖
散歩時に気に入ったものを持ち帰ったり、おもちゃを自分の部屋に隠すワンちゃん、いますよね。
これも犬の習性で、食事の残りを巣穴に隠したりしていました。そのなごりと思われます。
地面に体をこすりつける
他の動物の糞を見つけ、ワンちゃんが仰向けになって体をこすりつけた経験ありませんか。これも諸説あります。「狩猟のために他の動物の匂いで自分の匂いを隠す」「単にうれしい、興奮した」「くさいものが好きだから」など。こすりつけてほしくない場合には、ワンちゃんより先に対象物を見つけて、避けるようにしましょう。
文:山口登(エム・プラス)
イラスト:影山直美