フードを丸飲みしたり一気に食べるけど大丈夫?
ワンちゃんが食べ物を飲み込むようにして食べるのは、以下の理由があります。
群れで狩りをして捕食すること、そして食事から食事までの間隔が空く食生活の中にいたこと。これが理由です。常に食餌にありつけるわけではないので、食べられる時にたくさん食べます。その場で安心して食べられない場合は一度飲みこみ、安全な場所に行って吐き出してからもう一度小さくかみちぎって食べます。飲み込むように食べるのはこうして備わった習性であり、特に変わった行動をしているわけではありません。
ワンちゃんの嗜好性
食べ物をおいしいと感じる嗜好性は、動物によって異なります。ワンちゃんは他の動物と比べると、特に匂いからの嗜好性が強く、匂いを嗅いでから口にします。匂い成分の多くは脂溶性で、エネルギー源として使われる脂肪と深く関係しています。
また、ワンちゃんは旨みを感じられないとされてきましたが、実は感じていることがわかってきました。旨みとはアミノ酸のことで、グルタミン酸やアスパラギン酸など多くの有機酸から構成されています。
ワンちゃんが感じる甘みと酸味
ワンちゃんはショ糖に反応する味蕾を多数持つために、甘みを好みます。しかし、サッカリンなどの人工甘味料は苦みが含まれるので、拒否反応を示すようです。
ワンちゃんは酸味も好みます。腐肉食者だからです。食べ切れない時はあまった肉を埋め、あとで掘り起こして食べます。そのため、土の中で腐敗が始まった肉の特徴でもある酸味も好んで食べるのです。
文:山口登(エム・プラス)
イラスト:影山直美