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PROJECT THEME
より多くの猫ちゃんとペットオーナーの期待に応えるため、グルメキャットフード「懐石」のリブランディングを行ったプロジェクトです。
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GOAL
嗜好性(猫ちゃんが感じるおいしさ)の大幅な改良と機能の向上、パッケージの魅力向上、そのすべてを実現し、猫ちゃんとペットオーナーが相思相愛な関係を築けるような商品を生み出すことが本プロジェクトのゴールです。
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REPORT01
猫ちゃんそれぞれの嗜好や
健康に配慮した商品に味や素材、形状などにこだわると同時に、下部尿路や腎臓の健康維持、毛玉や低脂肪などにもフォーカスし、健康にも配慮した多くのラインナップを用意。それぞれの猫ちゃんの好みに合った商品を選べるブランドとして生まれ変わった。
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REPORT02
猫ちゃんへの想いを表現した
新パッケージに刷新「猫様には、懐石」のコンセプトに沿って、新しい「懐石」ブランドの自信を象徴する「猫様」のイラストを前面に押し出したパッケージに刷新。猫ちゃんに尽くしたい、喜んでほしいというペットオーナーの想いに寄り添う姿勢を表現。
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REPORT03
全国のペットオーナーから
喜びの声が届く販売開始後、「猫ちゃんが喜んで食べてくれるし、パッケージもかわいくて家に置いておきたくなる」「偏食なうちの子も、おいしそうに食べてくれるから驚いた」など、高評の声が数多く届いている。
PROJECT TALK
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S.O.ビジネスクリエイト本部
マーケティング部 ブランドチーム
2016年入社 -
H.Y.ビジネスクリエイト本部
研究開発センター
2023年入社 -
Y.N.生産供給本部 多治見工場
工場長
2002年入社 -
T.K.営業本部 東日本支店
販売第2チーム
2020年中途入社
01
猫ちゃんの幸せを追求してきた「懐石」。
その魅力をもっと引き上げたかった
―まずは、リブランディングに至った経緯から教えてください。
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S.O.
「懐石」は長く愛され続けてきたブランドだったのですが、大幅なリニューアルは約7年間行っておらず、国産ペットフードメーカーとしてもっとできることがあるのではないか、猫ちゃんやペットオーナーの期待に応えるためにやるべきことがあるのではないか、とずっと考えていました。そんな中、ブランドの企画や販促を行うブランドチームだけでなく、営業からもそういった声が多く届くようになり、満を持して今回のリブランディングに挑んだのです。
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T.K.
代理店やその先の小売店に商品の提案を行っている営業の立場として、私自身「懐石」の魅力をもっと引き出せないかと思っていました。長く続いているブランドのため、市場ではある程度知名度があったのですが、現状維持を続けるだけではペットオーナーの期待に応えられないのではないか、と考えていたのです。このままでは競合の新商品に売り場を奪われてしまうかもしれない。グルメな猫ちゃんのために、おいしさをとことん追求しているブランドなのに、そのこだわりが伝わらないのはもったいない。そう思っていた中でリブランディングすることが決まり、とても嬉しかったですね。
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Y.N.
リブランディングが決まったのは、「懐石」の原料調達から生産までのすべての工程を多治見工場で担えるよう、生産体制を変えようとしていたタイミングでした。私は多治見工場の工場長を務めているのですが、リブランディングの話を聞き、なんとしても理想の生産体制を整えてみせるぞ、と気合が入ったのを覚えています。同時に、リブランディング後に理想の量の「懐石」を生産できるよう、工場のキャパシティをいかに確保しておくかが肝になるだろうと思いました。
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H.Y.
私は三人とは違ってリブランディングが始まってから入社したのですが、研究開発センターで先輩たちが必死に「懐石」の研究を重ねている姿を見て、本気で良いものにしようとしているんだ、と感じました。私もこのリブランディングに携わることが決まり、全力で取り組まなければ、と背筋が伸びましたね。
02
嗜好性、機能、パッケージ。
そのすべてに一切手を抜かなかった
―プロジェクトはどのように進めていったのでしょうか。
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S.O.
いざリブランディングが始まり、最初に取り組んだのはコンセプトの見直しでした。「猫ちゃんの食事時間を豊かにする」という当初のコンセプトをもとに、本当の意味で猫ちゃんの食事時間を豊かにするとはどういうことなのか、食事を通じて私たちは何を提供すべきなのか、そうした根本的な部分から改めて考えた結果、猫ちゃんとペットオーナーがもっと相思相愛の関係を築けるようにすること、そしてともに過ごす時間を豊かにすることが大切なのではないかと気づきました。言葉が通じなくとも、少しでも猫ちゃんの想いをくみ取ってあげたい。幸せにしてあげたい。そんなペットオーナーの想いをかなえることが「懐石」の役割だと定義し、「猫様には、懐石」という新コンセプトを策定したのです。
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H.Y.
「懐石」を「猫様」に求められる商品にすべく、それぞれの嗜好や健康に配慮した商品を目指して研究開発センターでの研究が進められました。ペットラインの研究開発センターは、ものづくりに並々ならぬ情熱を持っています。機能性が落ちても嗜好性が上がればOK、既存の商品をもとに少し改良すればOK、なんてことは絶対にしません。せっかくリブランディングするなら、前よりも格段に良いものをつくりたい。その想いのもと、配合から形状まで一から考えていきました。
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S.O.
特に嗜好性に関して、研究開発センターの皆さんの熱量はすさまじかったですよね。徹底的にこだわり抜いてくれて、本当に感謝しています。
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H.Y.
研究開発センターの先輩たちを見ていて、そのこだわり抜く力に圧倒されましたね。開発スケジュールのギリギリまで改良を続け、細かなところまで調整しながら進めていきました。満足のいく設計ができた後、パッケージに表示する原材料や成分値、給与量の作成をメインで担当させてもらったことは、自分の成長にも大きくつながりました。
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Y.N.
そしていよいよ生産に移り、猫ちゃんやペットオーナーのもとに届けるための商品化がスタートしました。特に苦労したのは、理想の粒の形状にすること。本当にこの形状で安定供給ができるのか、形状が崩れてしまわないかなどを細かく確認しました。その中で気づくことがあれば研究開発センターにも連絡し、より最適な形状を一緒に模索していきましたね。
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S.O.
商品の中身の質を上げることと並行して、パッケージのデザインや販促方法も考えていきました。「猫様には、懐石」というコンセプトに込めた想いが伝わるにはどのようなデザインにすべきか、全国のペットオーナーに届けるために、どのような方法で発信していけば良いかなどについて、各部署と議論を重ねました。そうしてでき上がったパッケージには、新しい「懐石」ブランドの自信を象徴する「猫様」のイラストを大胆に使いました。
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T.K.
こうして数多くの人たちの努力が掛け合わさり、無事に新しい「懐石」が完成した後は、営業の腕の見せどころです。皆さんの想いを乗せて、営業のメンバーが一丸となって取引先への提案を行いました。特に注力したのは、何が変わったのかを根拠をもとに説明すること。ただ粒の形状やパッケージを変えただけでなく、嗜好性や機能がどれほど上がったのか、それはなぜなのかを、数字をもとにしっかり説明していきました。その結果、店頭イベントなどでペットオーナーから「うちの子が喜んで食べてくれるし、パッケージもかわいいから家に置いておきたくなります」「猫ちゃんがおいしそうに食べてくれたので、また買いにきました」といった前向きな評価が数多く届いたのです。各部署の力を合わせて頑張ったかいがあったな、と大きな達成感を感じました。
03
リブランディングはこれからも続いていく。
さらに相思相愛になれるブランドにするために
―今回のリブランディングが成功した理由は何だと思いますか。
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S.O.
部署間の連携力、これに尽きると思います。開発から製造、プロモーション、販売へとバトンをただ渡していくのではなく、各フェーズでさまざまな部署が連携し、互いの知見を掛け合わせながら最適解を探していったことが結果に結びついたのではないでしょうか。
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H.Y.
そうですね。特に粒の形状を決めるフェーズでは、先ほどのY.N.さんが話していたとおり、研究開発センターと多治見工場とで意見を出し合って試行錯誤を重ねました。マーケティング部など他の部署とも定期的に打ち合わせを行い、枠にとらわれず柔軟にアイデアを出していきましたよね。こうした話し合いの結果、Y.N.さんが提案してくれたアイデアをもとに、粒の形状をブラッシュアップすることができました。
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T.K.
営業活動をする際は、特にマーケティング部にお世話になりました。ペットオーナーにまず興味を持っていただき、店頭で手に取ってもらうために、マーケティング部と連携し法被や販促POP、オリジナルノベルティなどを作成し、店頭販売を行いました。そのおかげでかなり提案がしやすかったです。
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Y.N.
「これはあの部署の担当だから」「自分たちの役割は終わったから」といったことは考えず、良い商品にするために部署の垣根を越えて協力し合うことができましたよね。その連携の速さも、開発から販売まで一貫して手がけているペットラインならではだと思います。タイムロスなく、気になることがあればすぐに確認できる。新しいことにチャレンジする上で、こうした環境があることはとてもありがたいです。
―今後の展望について教えてください。
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S.O.
「懐石」のリブランディングはここで終わりではありません。むしろここからが本当の意味でのスタートです。猫ちゃんを大切にするすべてのペットオーナーに「懐石」の魅力を知っていただくために、さまざまな施策を打ち出していきたいと思っています。そのために大切なのは、市場の声を聞くこと。実際に購入いただいたペットオーナーの声や、猫ちゃんの反応などを収集し、さらに改良していければと考えています。
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T.K.
営業としては、「懐石」を売上No.1ブランドにすることを目標に、お客様に商品の良さを知っていただけるよう日々ご提案しています。
そのために、お客様に商品サンプルや販促物をお持ちして、実際に商品に触れていただき魅力をお伝えしています。また逆に、お客様から要望や貴重なご意見をいただき自社へフィードバックすることも行っています。 -
H.Y.
私は、先輩たちから学んだ妥協を許さない姿勢を肝に銘じ、「懐石」のさらなる魅力を引き出していきたいです。そして「懐石」だけでなく、ペットラインのすべての商品に対しても妥協を許さず向き合っていきたいですね。
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Y.N.
工場としては、安定供給を実現するために、成形から包装までより迅速に対応できるよう生産体制を強化していきたいと考えています。S.O.さんが言ったように、商品が完成して終わりではなく、商品を届けるべき人にきちんと届けられるようにすることが私たちの使命なので、全員で力を合わせて取り組んでいきたいです。