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PROJECT THEME
私たち人間と同様に高齢化が進んでいる日本のわんちゃん、猫ちゃん。「年を重ねてもペットがいつまでもしあわせに暮らしてほしい」という想いから、「シニア期のそなえ」をテーマに掲げたプロジェクトです。
特設サイトはこちら: https://inu-neko-sonae.com/ -
GOAL
本プロジェクトの大きなゴールは、「ペットが年を重ねても、ペットオーナーとしあわせに過ごすこと」。そのために、ペットラインでは幅広い世代の方々にわんちゃん、猫ちゃんのシニア期へのそなえについて知ってもらう、考えてもらう活動に取り組んでいます。
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REPORT01
シニア期ならではの愛おしさを
写真で伝える展示会2023年度に開催した「ねこの認知症 写真展」をスケールアップし、2024年度に「いぬとねこ シニアのそなえ展」を3都市で開催。シニア期のわんちゃん、猫ちゃんの写真をペットオーナーの愛あるメッセージとともに展示。人と同様にわんちゃん、猫ちゃんにも認知症があることを知るきっかけにしてもらうために、認知症チェックリストなど学べるコンテンツも掲示。
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REPORT02
しあわせなシニア期の過ごし方を
実話をもとにした絵本で伝えるシニア期のわんちゃん、猫ちゃんとの向き合い方を知ってもらう絵本「シニアのそなえものがたり」を制作。「いぬとねこ シニアのそなえ展」で配布したほか、東京・大阪・愛知の小学校に寄贈。幅広い世代に対し、シニア期を迎えても変わらずわんちゃん、猫ちゃんを大切に想うことの重要性を伝える。
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REPORT03
小学校で子どもたちと
わんちゃん、猫ちゃんのシニア期を考えるわんちゃん、猫ちゃんのシニア期を子どもたちにも考えてもらうべく「ペットライン特別授業」を開講。本物のわんちゃんと触れ合い、命と向き合う場を設けたほか、ペットライン所属獣医師が登壇し、クイズを通して「人よりも早く年を重ねていくこと」や「シニア期に気をつけたいこと」などの授業を実施。ペットを大切にすることだけでなく、シニア期についても考えるきっかけづくりを行った。


PROJECT TALK
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M.K.ビジネスクリエイト本部
マーケティング部 ブランドチーム
2013年入社 -
K.U.ビジネスクリエイト本部
マーケティング部 企画チーム
2023年中途入社
01
愛犬や愛猫が
シニア期も健やかに暮らすためにできることを
ーまずは、プロジェクト発足の経緯から教えてください。
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M.K.
ペットラインでは、わんちゃん、猫ちゃんの健康を支えるためのペットフードを取り揃えています。ペットフードを求める人の中には高齢の子を飼っている人も多くいらっしゃいますが、シニア期のわんちゃん、猫ちゃんの体にどんな変化が起きて、普段の生活で何をしてあげられるのか、まだまだ知られていないのも事実です。
そんな現状を変えようと、まず「猫の認知症の存在を知らない人が多い」という問題に着目し、2023年に「ねこの認知症 写真展」を開催。予想をはるかに上回る数の人々にご来場いただき、このテーマの関心度の高さを実感しました。
当イベントをきっかけに、わんちゃん、猫ちゃんのシニア期に関する情報をさらに伝えていくべきだと考え、単発企画ではなくプロジェクトとして年間を通じて発信していくことに。プロジェクトチームを発足し、写真展にとどまらず、継続的に情報を発信し続けるための施策を企画し実施していきました。 -
K.U.
本プロジェクトの大きな目的は、「ペットが年を重ねても、ペットオーナーとしあわせに過ごすこと」。今回のプロジェクトでは7歳頃からのそなえを発信しましたが、わんちゃん、猫ちゃんの7歳は人間で言うと40代半ば。人間ドックに行き始めたり健康を意識したりし始める年齢だと思うとわかりやすいのではないでしょうか。
弊社のシニア向けフードは7歳からと11歳からのご用意がありますが、 わんちゃん、猫ちゃんは年をとっても見た目の変化に気づきにくいことも。シニア期にそなえようと意識することが難しいこともあるんですが、彼らも私たちと同じように体が衰えるし、病気にもかかります。体の衰えや病気などがわかったときに慌てて調べるのではなく、日頃から情報収集をして、日頃からそなえてもらう。そうすることで、わんちゃん、猫ちゃんにとって暮らしやすい環境づくりが実現できるのではないかと考えています。 -
M.K.
健康に配慮したフードに切り替えたり、 足が上がりにくくなったらソファやベッドにつながるスロープを設置して家の段差が少なくなるような工夫をしたり。わんちゃん、猫ちゃんが健康でしあわせに一生を過ごすために今からペットオーナーができることがたくさんある、ということを伝えたい一心でプロジェクトに取り組んでいます。
02
大切な家族への愛と願いが
プロジェクトの輪を広げていく
―プロジェクトを進める上で苦労した点を教えてください。
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K.U.
私は本プロジェクトをきっかけに、メディア向け発表会やイベント実施などペットラインを知ってもらうための活動に本格的に携わるようになりました。そのため、このプロジェクトをより多くの人に知ってもらうためにどのような施策が良いのか、手探りで答えを探さなければならなかったのがとても大変でした。
そんな中でも常に意識していたのは、わんちゃん、猫ちゃん、そしてペットオーナーの役に立つかどうか。ペットオーナーがどんなことを知りたいのかは、わんちゃん、猫ちゃんを飼っている人が多い社内でさまざまな意見を拾い上げながら、施策詳細を詰めていきました。
その甲斐あって、イベントに来場した方から、「ためになった」「わんちゃん、猫ちゃんにも認知症があることを初めて知った」 「考えるきっかけになった」「飼おうか悩んでいたけど飼う決心がついた」などのお言葉をたくさんいただいて、心の底から嬉しかったのを覚えています。 -
M.K.
「いぬとねこ シニアのそなえ展」では、来場者の皆さんに付箋に感想コメントを書いて貼ってもらったんですよね。飼っているあるいは以前飼っていたわんちゃん、猫ちゃんへの愛をびっしりと書いてくれている方がたくさんいて、私たちも心温まりました。同時に「これだけの愛情を受けているわんちゃん、猫ちゃんのためにもっと頑張らないと」と身が引き締まりました。
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K.U.
こうした社外への活動はもちろん、社内への働きかけも試行錯誤しましたよね。
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M.K.
そうですね。このような社会を巻き込んだプロジェクトは初めてのことだったので、新たな取り組みを社内にも周知し、いかに関心を高めるかということに課題を感じていました。このプロジェクトを世の中に広めていくためには、社内の人に共感してもらい、一緒に社外へと発信してもらうことも必要だと考えました。
そこでマーケティング部以外の部門にも活動について共有をしたのですが、世の中としても新しい取り組みだったため、なかなか浸透しませんでした。そんな状況を打破しようと、オリジナル絵本の小学校寄贈にあたり、社員の母校に寄贈することを提案。絵本も全社員に配布しました。これらをきっかけに、「甥っ子にもあげたい」「子どもの通う保育園にあげてもいい?」といった声が上がるようになり、このプロジェクトを身近に感じてくれた社員が徐々に増えていったように感じています。
また営業メンバーは商談の場で問屋やバイヤー様にプロジェクトを案内してくれたり、小売店のイベントで絵本を活用してくれたりしました。こうして社外に発信できる体制になっていきました。 -
K.U.
ある小売店ではバイヤー様だけでなく他の部門の方からも本プロジェクトが話題に上がっているようで、社内から社外へじわじわと情報を広げてくれていることがとても嬉しいですね。
私たちマーケティング部が施策を打つだけでは情報の届く範囲が限られますが、会社全体で本プロジェクトについて発信できれば、もっと多くの人に届くと思います。社内への周知活動は今後も続けながら、ペットライン全体で「シニアのそなえプロジェクト」を推進していきたいです。 -
M.K.
ペットラインが面白く意義のあることに取り組んでいることを、もっともっと社内外に伝えていきたいですよね。
―プロジェクトの中で得た気づきについて教えてください。
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K.U.
シニア期のわんちゃん、猫ちゃんと過ごすペットオーナーの愛情の深さですね。特に「いぬとねこ シニアのそなえ展」では、写真とともに撮影にご協力いただいたペットオーナーのわんちゃん、猫ちゃんへのメッセージを紹介したのですが、その言葉一つひとつが本当に愛にあふれていたのが印象深かったです。「小さいときはやんちゃでかわいかったけど、年をとった今も変わらずかわいいよ」「お世話する時間が増えて、愛おしさも増えたよ」「どれだけ年をとっても一緒に生きていこうね」などなど……。
深く愛しているからこそ、いつまでも健康に生き続けてほしいという願いも大きくなるんだなと、改めて気づかされました。 -
M.K.
イベントを通してわんちゃん、猫ちゃんへの愛を高めてもらおうとした私たちが、逆にペットオーナーの皆さんに愛について教えてもらいましたよね。
私はプロジェクトを通して、ペットを飼育していない方々とのコミュニケーションも大切だと感じました。特に絵本を小学校へ寄贈した際に、子どもたちや先生方からの感想で「飼ってみたいと思った」「学校で動物飼育をしていないので命の大切さを学ぶ教材になった」といった声が寄せられて、このプロジェクトの意義や可能性の大きさを実感しましたね。
事実、日本の犬猫飼育世帯率は9%程度です。わんちゃん、猫ちゃんを大切に飼ってくれる人や今後飼いたい人、たとえ飼わなくとも動物を大切にしようと思える人が増えれば、それだけしあわせな生涯を送れる子が増えるはず。その起点を数多く生み出せるようなプロジェクト活動をしたいとより強く思いました。
03
プロジェクトの継続が
未来のわんちゃん、猫ちゃんのしあわせにつながる
―プロジェクトの今後の展望について教えてください。
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K.U.
プロジェクトを進める中で、子どもたちやイベントに来てくださった一般の方はもちろん、ペットフードメーカーや獣医師の方、動物病院スタッフの方といったペットに関わる仕事をしている方々からも好意的なコメントをいただき、プロジェクトの反響の大きさに驚きました。飼育頭数の減少やわんちゃん、猫ちゃんの高齢化は業界全体の課題なので、互いに協力し合いながらプロジェクトをさらに発展させていきたいと考えています。
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M.K.
ペットラインは療法食を製造・販売していることから、動物病院と直接コンタクトをとれる体制を強みとしています。これを武器にプロジェクトの幅を広げていきたいですよね。
実際に、動物病院の待合室に絵本を置きたいと要望をいただいたり、獣医師学会から絵本提供の打診があったり、私たちの活動によって業界が少しずつ動き始めていてワクワクしています。 -
K.U.
あとはイベントに来てくださった方々からのご意見として「わんちゃん、猫ちゃんのシニア期についてもっと知りたい」という声にも応えていきたいですよね。今回の写真展では認知症や関節症に焦点を当てて紹介しましたが、今後はより幅広い症状についても学べるよう間口を広げていけたらと思っています。
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M.K.
症状もそうですし、体が衰えた子のための具体的な暮らしの工夫も発信していきたいですね。これまではわんちゃん、猫ちゃんの単体の写真をメインに展示していましたが、その子たちの生活環境も含めて写真で発信できれば、「どうすればシニア期のわんちゃん、猫ちゃんがしあわせに暮らせるのか」のヒントになると思うんです。
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K.U.
「かわいい!」だけで終わるのではなく、きちんと学びにつながるようにアップデートしていけたらいいですね。
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M.K.
そうですね。コロナをきっかけに長時間自宅で過ごす人が増え、新しくペットを迎える人が増えました。ペットフードメーカーとして喜ばしいことですが、ペットを迎える人が増えたからこそ、命を預かることの責任の大きさや、最期までしっかりと愛情を注ぐことの重要性をきちんと伝えていきたいと考えています。
そのために私たちがすべきなのは、継続的にわんちゃん、猫ちゃんのシニア期について情報発信をし続けること。今若い年齢の子を飼っているペットオーナーにシニア期の話をしてもなかなか響かないかもしれない。でもその子が年を重ねていった先で「そういえばペットラインがシニアのそなえについて何か発信していたな」と思い出してもらえるように、止まることなく前進し続けていきたいと思います。